沈黙
借りものの言葉を語るな、と言われてしまって
震える口元として、振動として、
ついぞ黙ってしまう
このひらがな、この文法、この音さえも、
わたしのものにはならなくて、
風に揺れて落ちゆく銀杏としてしか、
存在することができない
どこにいくにもわたし、
あたまから立方体をはめられて
じたばたと世界を揺らして、
通りじゅうの木の葉が翻って、
昇り葉になるように、と神様に祈ってみたりする
二礼二拍手一礼
借りものの言葉を語るな、と言われてしまって
震える口元として、振動として、
ついぞ黙ってしまう
このひらがな、この文法、この音さえも、
わたしのものにはならなくて、
風に揺れて落ちゆく銀杏としてしか、
存在することができない
どこにいくにもわたし、
あたまから立方体をはめられて
じたばたと世界を揺らして、
通りじゅうの木の葉が翻って、
昇り葉になるように、と神様に祈ってみたりする
二礼二拍手一礼