飾らないワタシの地味日記

道端に捨てられた詩を拾います。(20)

沈黙

f:id:gravitation0911:20211212185139j:image

借りものの言葉を語るな、と言われてしまって

震える口元として、振動として、

ついぞ黙ってしまう

 

このひらがな、この文法、この音さえも、

わたしのものにはならなくて、

風に揺れて落ちゆく銀杏としてしか、

存在することができない

 

どこにいくにもわたし、

あたまから立方体をはめられて

 

じたばたと世界を揺らして、

通りじゅうの木の葉が翻って、

昇り葉になるように、と神様に祈ってみたりする

二礼二拍手一礼