飾らないワタシの地味日記

道端に捨てられた詩を拾います。(20)

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

沈黙

借りものの言葉を語るな、と言われてしまって 震える口元として、振動として、 ついぞ黙ってしまう このひらがな、この文法、この音さえも、 わたしのものにはならなくて、 風に揺れて落ちゆく銀杏としてしか、 存在することができない どこにいくにもわたし…

だめだよ、きみは孤独でなくちゃ

あなたが両の腕に抱えた宝箱。銀色、月の光と同じだね。冷たい光だけがあなたと溶け合うことができて、まあるいテーブルの上にしゃがみ込んでは、揺れるカーテンを見つめていた。そんな時、ぼくはいつもどこか遠くにいて、描きかけの油絵の香りだけがぼくを…

書くしかないので書く

ぐるぐると目の前を漂うのは蜘蛛の糸である。あなたは暗闇の中でも、その銀色の糸をしっかりと見つけることができる。てらてらと輝くそれは、いったいどこからの光を反射しているのだろう。天の川のような銀糸。あなたには口を少しだけ開けて呼吸をする癖が…