飾らないワタシの地味日記

道端に捨てられた詩を拾います。(20)

2020-01-01から1年間の記事一覧

ゼミの志望理由書

「かわいい」「かっこいい」「おとなっぽい」という形容詞では象ることのできない細かい凹凸が人間にはあって、そうした小さな違和感を拾い上げてくれるのが文学だし、詩作であればいいのにと思う。資本主義社会で、みんながみんな、上を向け、立ち止まるな…

幸せになりたいよな

こんな風に愛したいとか、こんな詩が書きたいとか、こんな風に死にたいとか、そういう抽象画みたいな言語しか話せなくなる時がある。暗いよりは温かく、浅いよりは深く、醜いよりは美しく、みたいに。でも例え、完璧な抽象画が完成したとして、そのモチーフ…

アイデンティティの再構築と置き去りの魂

私しか、私が存在していることを知らない街で暮らした。雑踏の中、地下鉄のホーム、人のいないお寺の境内で、私は私の存在を認めてあげなくてはいけなかった。そうでなければ、この体は、この声は、この魂は、すぐにぽろぽろと崩れ落ちてしまっただろう。気…

勘違って名前をつけてしまったから

本来、物事はグラデーション 、なのにぼくたちは、勘違って、君を、ぼくを、名前で呼んでしまった。だから僕たちは、いつまでもいつまでも、不安で、不安で、仕方がないんだ。 もともと、僕たちは物事をはっきり区切ることなんでできないんだ。虹を見つけた…

「はい」は一回ね

言葉にしなくちゃ伝わらない、と誰もが言って、わたしが、「わかった。わかった。」と2回繰り返すたび、わかってないじゃないの、と叱られる。わたしが考えているということ、ずっとずっと考え続けているということをあなたは知らないのだろうね。そして、あ…

知識が私のコーヒーを美味しくする

わたしの好奇心は愛ゆえだということ。 知らないでいいことなんて何もないのだ。 背景や価値観、考え方を聞いてその人のことをもっと好きになるみたいに、知識はコーヒーを美味しくする。歴史を知って初めて、ヨーロッパの街並みの美しさや、由布岳の雄大さ…

わたしは人間だから深夜にアップルパイを焼く

わたしはもう立派に大人な19歳だから夜中にアップルパイを焼いちゃったりする。わたしのためだけの20gのバター、グラニュー糖、シナモン。一玉298円のりんご。嗅覚も味覚も、もうとっくの昔に死んでしまってるんだから、なにも感じ取られやしない。でも、別…

「イースターエッグ」的アイデンティティ

photo by わくらば 夏目漱石の説く、上滑りの近代化によるアイデンティティの喪失。これは明治維新で西洋化を余儀なくされた当時の人々だけではなく、現代人も抱えている課題である。 現代を生きる人々が懸命に磨きをかけ、きれいに塗装しているのは内的な核…

名前の知らない街を歩く、鏡のない部屋みたいだ。

プラハにて photo by わくらば 名前の知らない街を歩く、鏡のない部屋みたいだ。他者を通じてしか自身を認識できないらしいきみはきっと、すぐにとろけてしまうね。私を象らないでほしい。繊細な私は、重力にさえ己をゆがめられてしまう。粘土みたいにぐちゅ…

自殺を否定できない。

プラハにて photo by わくらば 「自殺を否定できない。」 そうわたしが真剣な顔で言ったら、友人に怒られたことがある。 もしわたしの友達が真剣に自殺したいと言ったなら、わたしは協力してしまうだろう、と言ったら、すごくすごく怒られた。彼女は半分泣い…

「いつかお前は爆発するよ。」

ベルリンの夜道 photo by わくらば 「いつかお前は爆発するよ。」そう言ったのは私の父。去年の夏のこと。 そりゃそうだ、と思った。納得した。頷いた。粉々に散らばる己の肉片すら容易く想像できた。 私、やっぱり、5割で人生をやりくりしているのだと思う…

平凡で平穏な不変的な日常

だらだらしてごろごろしてすごした。換気は大事らしいから、朝起きたら家中の窓を開けるようにしている。湿気が高いのか、しめった風が吹いて心地よいと感じた。朝ごはんは昨日作ったポトフとお好み焼きのような何か(馬場ちゃんのYouTubeを見て作った)。一…

小説を読むと心が豊かになるのか

ありふれたハッピーエンドもバッドエンドもわかりやすく終わる物語はすぐに忘れ去られてしまうね。笑顔で終わる最後の一節も、虚空を待つだけの一節も、どちらも結局はおしまいになってしまうことだ。全てはそこで終わり、もう二度と始まらない。彼らも彼女…