飾らないワタシの地味日記

道端に捨てられた詩を拾います。(20)

「はい」は一回ね

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言葉にしなくちゃ伝わらない、と誰もが言って、わたしが、「わかった。わかった。」と2回繰り返すたび、わかってないじゃないの、と叱られる。わたしが考えているということ、ずっとずっと考え続けているということをあなたは知らないのだろうね。そして、あなたがずっとずっと考え続けていることもわたしは知ることができない。悲しいけれどね。知ることができないんだ。あなたの脳内の細胞がいくつあるかとか、昨日見た映画の退屈さとか、金魚が死んだこととか、わたしは知ることができないんだ。わたしとあなたが同一の個体ではないということを、わたしもあなたも知っているね。それは、知っている。でもどうして、「わかって欲しい」となるのだろう。言わなくても伝わることなんて、Twitterの文字数制限より少ないのに。悲しいなあとわたしが涙を流す。でもその涙は不誠実さそのものじゃないのだろうか。惰性で、怠惰で、不真面目な思考回路の末の涙。だから私は拙くても言葉にしたいね。あなたはどうか知らないが、わたしは出来うる限りの手を使ってわたしを表現したいよ。そして自己を映し出す手鏡であなたのことを見たい。

 

 

「大切なのは、あなたが泣いたり笑ったりしていることではなくて、泣いたり笑ったりしているのが、誰でもなくあなただということなんだ。」