名前の知らない街を歩く、鏡のない部屋みたいだ。
名前の知らない街を歩く、鏡のない部屋みたいだ。他者を通じてしか自身を認識できないらしいきみはきっと、すぐにとろけてしまうね。私を象らないでほしい。繊細な私は、重力にさえ己をゆがめられてしまう。粘土みたいにぐちゅぐちゅになった神経細胞たち。かわいそうに。もう帰れないんだって、あの子、言ってたみたいだよ。誰も踏んだことのない石畳の上をすすもう。そうして、そうやって、最初から、あなただけが私の満月。
名前の知らない街を歩く、鏡のない部屋みたいだ。他者を通じてしか自身を認識できないらしいきみはきっと、すぐにとろけてしまうね。私を象らないでほしい。繊細な私は、重力にさえ己をゆがめられてしまう。粘土みたいにぐちゅぐちゅになった神経細胞たち。かわいそうに。もう帰れないんだって、あの子、言ってたみたいだよ。誰も踏んだことのない石畳の上をすすもう。そうして、そうやって、最初から、あなただけが私の満月。