飾らないワタシの地味日記

道端に捨てられた詩を拾います。(20)

名前の知らない街を歩く、鏡のない部屋みたいだ。

 

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プラハにて photo by わくらば

 

 

名前の知らない街を歩く、鏡のない部屋みたいだ。他者を通じてしか自身を認識できないらしいきみはきっと、すぐにとろけてしまうね。私を象らないでほしい。繊細な私は、重力にさえ己をゆがめられてしまう。粘土みたいにぐちゅぐちゅになった神経細胞たち。かわいそうに。もう帰れないんだって、あの子、言ってたみたいだよ。誰も踏んだことのない石畳の上をすすもう。そうして、そうやって、最初から、あなただけが私の満月。