飾らないワタシの地味日記

道端に捨てられた詩を拾います。(20)

わたしは人間だから深夜にアップルパイを焼く

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わたしはもう立派に大人な19歳だから夜中にアップルパイを焼いちゃったりする。わたしのためだけの20gのバター、グラニュー糖、シナモン。一玉298円のりんご。嗅覚も味覚も、もうとっくの昔に死んでしまってるんだから、なにも感じ取られやしない。でも、別にそんなこと構わない。りんごの酸味が分からなくたって、バターの香りが嗅ぎ取れなくたって、人間はアップルパイを焼けるんだよ。砂糖を入れすぎて、頭痛がするほど甘いアップルパイ。きみが欲しいっていうけど、あげないよ。わたしのだから。